愛知工科大学 工学部

宇宙「バカ」の挑戦2014 念願の3位入賞!

4年越しで掴んだ3位入賞!宇宙「バカ」の挑戦2014

今年もSTELA(宇宙技術研究部)がアメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠で行われた超小型人工衛星CanSatのサブオービタル(大気圏内)打ち上げ実証実験「ARLISS(A Rocket Launch for International Student Satellites)」のローバ実走コンペティションに参加。ついに、念願の3位入賞を果たしました。

宇宙「バカ」の挑戦


2011年からスタートした、ARLISSへの挑戦。

2011年STELAⅠ9位

ARLISSにおいて最も実用的とされている「2輪型ローバ」ではなく、「キャタピラ型ローバ」でチャレンジ。
「他のチームと同じようなローバではおもしろくない!」と初参戦にも関わらず、果敢に挑戦した。

2012年STELAⅠ7位:STELAⅡ6位

2チームで参戦。上位入賞を目指し、多くのチームが採用している「2輪型ローバ」で挑戦。
2011年モデルのローバとは全く異なる構造のため、ほぼ新開発に近い挑戦であったが、前年を上回る結果を残せた。

2013年STELAⅠリタイア:STELAⅡ7位

不運にも、突然のストーム(暴風雨)に見舞われ、機体がバラバラに大破するというアクシデント。
ローバの精度や性能は確実にアップしていたが、悔しい結果となった。


STELA 4度目の挑戦!なにより結果を残したかった。

本年度も、STELA(宇宙技術研究部)がアメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠で行われたARLISSにSTELAⅠとSTELAⅡの2チームで参加。今回はなんとしても上位入賞したい。先輩達が残した結果を超えることを目標にかかげ、新メンバーが挑みました。
まずは先輩達の努力の結晶である、前回のローバを理解することからはじめ、徹底的に分析。さらに改良を重ねた結果は「3位」。4年越しで確かな実績を残すことができました!!
しかし、ここまでの道のりは、決して楽なものではなく、また3位という結果に満足したわけでもありません。

今回参加したローバ


情熱は冷めない。宇宙への想いは受け継がれている。

先輩達が残した大きな財産は、4,000mから落としても壊れないローバだけではありません。それは膨大な実験データから伝わる「宇宙への情熱」でした。
先輩達の想いを受け継ぎ、GPSなどのセンサ類、プログラム、タイヤやパラシュートにいたるまで、あらゆる視点から改良を重ね、審査用の技術レポートを作成しました。


最後に願いを込めた。想いは、通じた。

4年目の挑戦といっても、やはりすべてが順調ではありません。メンバーにとってははじめての経験でしたし、日本での落下実験は、打ち上げの高さが45mまでという制限で、ARLISSの条件である4,000mからの落下テストが事前にできなかったためです。
大会期間中は徹夜でトラブル対応と改善を繰り返し、善処するものの打ち上げは1回目、2回目と失敗をしてしまいました。
そして、後のない3回目。
STELAのローバは、たくさんの想いを乗せ、荒野を駆け抜け、見事3位入賞を果たすことができたのです。

About a ARLISSARLISSについて

ARLISS(A Rocket Launch for International Student Satellites)」は、アメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠にて行われた、超小型人工衛星CanSatのサブオービタル(大気圏内)打ち上げ実証実験。この実験はUNISECがアマチュアロケットグループ「エアロパック」の協力のもとで、日米の大学が製作した衛星の打ち上げを行います。
また、ロケットから放出された小さな衛星やローバが、目的地に自律的に降りる/走ることを競うカムバックコンペティションも開催しています。

STELA(宇宙技術研究部)は、このカムバックコンペティションに参加しました。

UNISEC・・・大学宇宙工学コンソーシアム(University Space Engineering Consortium, UNISEC)

About a Rover「ローバ」ってどんなもの?

写真:ローバ

ローバ(Rover)とは、宇宙探査を行う際に使われる、自分で考えて走行する自律型無人探査機のことです。
今まで、ローバは月や火星に送られ、人では探査できない場所での画像撮影や鉱石採取などのさまざまな活動を行ってきました。また、地球外での活動をリモート操作で行うため、想像を超えるさまざまな環境に耐えうるための研究が、各専門機関や大学などで行われています。

The locus of activity両チームの活動の軌跡

STELAⅠ( 2・3年チーム)結果はついてきた、でも満足したわけじゃない。

いままでのSTELA の集大成となるローバ。
過去の大会で問題となっていた落下時の衝撃に耐えられる強度を備え、轍(わだち)などの障害物を越えるための機構やプログラム、精度の高い新たなGPSなどを搭載しました。


先輩達が残してくれた膨大な実験データを基に、勝つためのローバに改良。

STELAⅠは、4名で構成されたチーム。
ローバの基本的な筐体(きょうたい)やプログラムは先輩達の残してくれた資産を活かし、過去に問題になっていた部分を徹底的に分析、改良を加えました。


積み重ねたことで得られるアイデアがある。

今回のローバで重要視したのは、強度とトラブル回避能力。パラシュートが装備されているとはいえ、4,000mからの落下に耐えうる強度が必要です。また、砂漠を自走する際に直面する、轍(わだち)などの障害物を乗り越える機構や回避プログラムは、上位入賞のために必要不可欠でした。
強度とトラブル回避能力の性能を上げることが重要だとわかったのは、先輩達が経験した失敗があってこそ。STELA に積み重ねられてきた経験と知識が集結した結果といえます。


メンバーそれぞれの高い目標意識とチームとしての絆。

複数人で開発を進めるのは、メンバーそれぞれの予定や大学の授業などがあり、進行やスケジュールの調整が大変でした。
プログラムの開発が遅れ、筐体(きょうたい)が先にでき上がるなどのタイムラグが発生したり、授業や試験が重なって、思うように進行できないこともありました。
さらに新しいGPSがうまく動作しないために、以降の開発が進まないなど、フラストレーションがたまる場面も。しかし、次期部長の立花さんを中心に、挫けず、モチベーションを切らさず最後まで乗り切れたのは、メンバーそれぞれの高い目標意識と、持ちつ持たれつ互いに助けあえるチームとしての絆があったからです。
そして、前回ARLISSに参加した先輩方の助言や応援、STELAⅡの河面さんのサポートが苦難を乗り越える支えにもなりました。


結果は出た、でも満足はしていない。

大会は、「3位」という結果を得られましたが、メンバーは誰ひとり納得した顔をしていません。
「風に流されず落下したから運が良かっただけだ」「もっと走るためにできることがあった」と厳しい自己分析。
もちろん、実力もありました。
30チーム中、動いたローバは9チームのみ、さらにはSTELAⅠのローバは、1回目の打ち上げでロケットと切り離されず自由落下しています。にも関わらず、ローバは故障しなかった強度を誇っています。しかし、「もっとできた」という彼らの発言は、高い目標を定め、先輩方の意志を継ぎ、なんとしても上位入賞を果たすという強い気持ちの表れなのです。


STELAの結束が未来を作る。

大会が終わって考えることは、次のSTELAの活動。
他大学の技術や志の高さも肌で感じ、次の大会のために今後、どんな活動をしていくべきなのだろうか。彼らの挑戦は、すでにはじまっています。

このチームが、次世代のSTELAを引っぱり、また新たな結果を生み出すことでしょう。

STELAⅡ(大学院生1名)大学院生として、負けられない意地がある!

昨年モデルのローバの筐体(きょうたい)に、新たなARM マイコン、ブラシレスモータ、各種センサを搭載。今後のSTELAを支える後輩達が、使いやすいようにユニットを強化しました。


たった一人の戦い。しかし、未来につなげる使命がある。

STELAⅡは、大学院工学研究科システム工学専攻1年の河面さんが1人で挑みました。
大学院の研究という側面を持ち、筐体(きょうたい)は前回モデルを流用しながらもモータ類やセンサ、マイコンなどを新たに導入。今後につながるアイデアをふんだんに盛り込み確実にバージョンアップしました。
通常は分担して開発するところを、すべて1人で担うのは大変な負担です。しかし、大学院生としての意地もあり、1人でも逆境を乗り越えました。さらにSTELAⅠの後輩達の助言もしながらの挑戦でした。


さまざまな論文や技術交流から、ローバのバージョンアップのための知識を得た。

今までのSTELAローバのアプローチは古い!
さまざまな論文や他大学との交流で得た情報・知識によって、今回のSTELAⅡのローバは大きな進化を遂げました。
今までは、ラジコンなどに使われるモータを使っていましたが、それをブラシレスモータに変更。マイコンはH8チップからARMマイコンに。さらに9軸センサなどを搭載し、xbeeによる無線通信によってローバがどんな状況にあり、どんな動作をしなければならないかを確認できる仕様にしました。
これらは、今後のARLISS参加メンバーにも大きな財産となることでしょう。


問題を解決するためのやわらかな頭を持つ。

当然、新たな試みは、新たな問題も起こります。
例えば、自作したブラシレスモータを駆動させるモータードライバが大きな電力を使い、ものすごい熱を帯びて、燃えてしまいそうな状態になること。市販のラジコン用のモータアンプを利用することで解決したのですが、モータ1つ変更・改良するだけでも、さまざまな問題が発生します。実績のあるローバのバージョンアップという試みは、大変勇気のいる取り組みでもあるのです。
また、なんでも自作するのではなく、市販されているものを有効活用することも発想の1つとして持っておくことも重要でした。
解決方法は1つではないという柔軟な思考が、問題解決や新たなアイデアにつながり、ローバのバージョンアップを可能にしました。


開発を引き継ぐ、後輩達のために。

問題を乗り越えるたびに思うことは、次のARLISSに挑戦する後輩達のことです。
自分が考えた開発のアイデアやトライ・アンド・エラーを重ねた経緯など、なぜ現在のローバになったのかを伝え、次世代に残せる研究を念頭に取り組みました。


もちろん結果は悔しい。でもさまざまな経験は次のステージを用意してくれた。

自信はありました。しかし、無線モジュールは4,000mを超えると通信が途切れ、パラシュートが分離せずに・・・。自信があった分、動かないローバを見て自分が情けなくなったと彼は語ります。しかし、大会中寝ずにトラブル対処をする彼の姿に、STELAⅠのメンバーはもちろん、他チームのメンバーまでもが声をかけてくれ、協力や応援をしてくれました。
結果こそ出ませんでしたが、次への大きな目標ができました。「動く、動かないだけではない、GPSで制御していては、火星では探索なんて無理だ。どれだけ現実とマッチするかという発想を持って今後の研究につなげていく」と決意を新たにするのでした。


教員からの総括Generalization

今回のARLISSへの挑戦は、上位入賞できると自信がありました。本心では、もっと良い結果が出ていてもおかしくないと思っています。
それほどSTELAのメンバーは成長しています。私たちはそれをもっとバックアップできる体制を整え、さらにメンバーが好奇心を駆り立てられるような環境づくりに励んでいきたいと思っています。

写真左:電子制御・ロボット工学科 田宮直
写真右:電子制御・ロボット工学科 大西正敏


気になった方は、まず資料請求しよう!


コンテンツサイトマップ -

PAGE TOP