愛知工科大学 工学部

歩きスマホ・ながらスマホの危険性

『歩きスマホ』の危険性を日本ではじめて実証実験した小塚研究室

「スマートフォンの“ながら使用”」の危険性からみる「便利さ」の意味

テレビ、新聞などマスコミ各社より依頼が急増している小塚研究室
最近、テレビでも盛んに放映されている、スマートフォンの「ながら使用」について、日本ではじめて実際に駅のホームや横断歩道で実証実験を行なっている小塚一宏教授の研究についてご紹介します。

歩きスマホ・ながらスマホ 本当に危険です

便利なスマートフォンの「ながら使用」に潜む危険性

急速に普及したスマートフォンは、私たちの生活をより豊かにする一方、さまざまな便利機能のツールの使用方法において、現在、問題が浮上しています。それは歩行中、自転車運転中などの「ながら使用」です。
スマートフォンは、アプリなどをインストールし、どこでも音楽を聞いたりゲームで遊んだりすることができますが、画面に集中してしまい周囲への注意力が散漫になり、時には転倒したり、駅のホームから転落したりと重大な事故へとつながるケースがでてきました。


「安心・安全」に人々が生活するための研究

スマートフォンの「ながら使用」の危険性については、メディアが大きく取り上げる以前より研究を行っており、実際に駅のホームや交差点の横断歩道で「歩きスマホ」の実証実験を行ったのは小塚研究室がはじめてです。
スマートフォン使用者の視線を記録するために特別なカメラを使用し、視線データをデジタルビデオレコーダーに取り込みます。記録されたデータはコンピュータで解析し、視線の動きをグラフィカルに再現して検証しました。その結果、視線はスマホ画面に集中し、非常に視野が狭くなることが立証され、「ながら使用」は非常に危険であることがわかりました。

これらの研究は、決してスマートフォンの利便性を批判するための内容ではなく、どうやって上手に使っていくかということを考えるための研究なのです。


仮説と実証、そして経験から考える、スマートフォンの危険性

まず、実験でわかるのはスマートフォンに集中することによる周囲への注意力の低下の度合いです。SNSへの書き込みやゲーム、動画の閲覧など、画面へ視線が集中してしまうことで、足元への注意が疎かになり転倒したり、階段や駅のホームなどでは転落による重大事故にもつながります。さらに、イヤホンをしながらの場合は、周囲の音までも遮断してしまい、危険度が増すこともわかりました。
駅のホームでの実験では、被験者が親子とすれ違った際、手元のスマートフォンに集中するあまり、背の低い子供の存在に気づかず、最悪の場合、足で蹴飛ばして「怪我」をさせてしまうことも考えれます。
現在は、歩き以外にも自転車走行中におけるスマートフォン利用など、さまざまなケースを想定した、実証実験も行なっています。
小塚教授は、実験以外にも仮説を立て、SNSや携帯電話に対する依存性など、さまざまなアプローチから、利用に伴う危険性についての研究を行い、その結果をメディアなどを通じて啓蒙しています。
そして、その啓蒙が社会のより便利で安全な生活につながればと願っています。

スマートフォンのながら使用の危険性に関する実証実験

交差点をスマートフォンでTwitterをしながら歩いた時の使用者の視線、周囲の反応などを計測し、さまざまな仮説を立て危険性を示唆します。

写真:スマートフォンを使用していない時の視線
スマートフォンを使用していない時の視線


スマートフォンを使用せずに横断
※視線は四角で表示されています。

写真:スマートフォン使用中の視線
スマートフォン使用中の視線


『歩きスマホ』にて横断
※視線は四角で表示されています。

スマートフォンの使用中は、画面に視線が集中し、まわりが見えてないことによる周囲への配慮や注意が散漫になっていることがわかります。
つまり、集中して使えば使うほど、危険度が増し、事故につながることが伺えます。

実験機材について

写真:実験機材

スマートフォン使用者の視線を記録するためのカメラとセンサーが内蔵されたキャップです。
カメラの映像とデータは、ビデオレコーダーに保存され、研究用のソフトウェアに取り込みます。

写真:記録されたデータ

記録されたデータは、専用のソフトウェアによって解析され、利用者の視線の動きをグラフィカルに再現。周囲への注意力の低下や潜む危険性などを研究します。


便利さの先にある、未来への想い ~小塚一宏教授へのインタビュー~

研究の先にあるもの

エンジニアは、決して何か新しいものをつくり、それを世に出すだけがミッションではありません。私たちの研究は、現代社会において、「安心・安全」に人々が生活するための社会づくりに貢献している研究だと自負しています。
日進月歩で進化する技術は、生活を豊かにし、潤いを与えてくれます。
しかし、スマートフォンの「ながら使用」のように、その技術は時に新たな問題を産むことがあります。しかし、その問題を上手くクリアすることで訪れる、もっと幸せな社会をつくることが研究の使命だと考えます。

社会に対する貢献と今後の取組み

私の研究室では、ITS(高度道路交通システム)についての研究を行なっています。
これも、簡単にいえば歩行者、自動車を含めて車社会がもっと安全で便利になるようにという内容の研究です。
また、東三河の8市町村と4大学が近隣地域のさまざまな災害の対策の検討を10年前から取り組んでいます。社会がもっと安全、安心に暮らせるものになるために、私たちの研究が使われればと考えて協力しています。


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