愛知工科大学 工学部

井戸掘っちゃいました

入試広報センター 主任 河合武明/KAWAI Takeaki

井戸掘っちゃいました


我が家の庭は、「柿」「栗」「果林」「キュウイ」など、多くの樹木がある。秋にはおいしい果実が家族を喜ばせてくれるが、夏場の水やりがたいへん。特に「キュウイ」の木は、水をタップリ与えないと、葉がボロボロ落ちてしまう有様。
炎天下の日中を避け日差しが和らぐ夕方に、水道の蛇口にホースをつなげて「ジャー」「ジャー」と水やりをしていた。


しかし、ついに我が家近隣も下水道となる日が来た。
水道の水を使えば、使った水の量に対して下水道料金が掛かっていく。
洗濯や風呂、トイレなど生活排水を下水道に流すことへの下水料金は納得できても、庭木の水やりまで下水料金が掛かるのは納得いかない。
そこで、思いついたのが井戸である。
20年くらい前であったか、庭に井戸があったのを思い出した。今は埋めてしまっていたが。
「そうだ、井戸を掘ろう」
井戸はどこの業者に依頼すれば掘ってくれるのか?掘ってもらうには、どれくらいの料金がかかるのか?インターネットを使って調べてみることにした。
そこで目に止まったサイトが、
「自分で出来る打ち抜き井戸の掘り方」http://www3.ocn.ne.jp/~marchan/index.html
であった。
自分で掘ることが本当にできるのか、半信半疑で読んでみた。すると、そこには “井戸掘り器の作り方” “掘る原理” などが書かれていた。「自分で掘ってみよう」との気持ちになったのは、この掘り方で井戸掘りをした人が、とても多くいたことだ。掘った人たちが、それぞれホームページなどで自分の井戸を紹介していた。
なんだか、井戸を掘る前から「やれる」気がしてきた。
早速、夏の盆休みを利用し、父、弟に声をかけ、井戸堀りをすることにした。

まず、庭のどこに掘るか考えた。
しかし、水脈がどこにあるかは分からない。 「ここに井戸があったら便利だなあ」と思う場所を選び、早速作業にかかった。

掘った人たちのアドバイスによると、「まずは、掘れるところまで穴を掘る」との意見が多く、その深さは1m~2m。しかし、穴を掘りはじめると、これが楽しい。


汗をかきながら、3人交代で掘り進む。 いつしか、自分の顔の深さまでの穴に。 アドバイスによれば、これくらいの穴でOKのはずなのだが・・・ 掘っているのは 「血液型 A型 トリオ」。 トコトン堀り進み、掘っている自分が土を穴の外に出せない深さに。
気がつけば、自分で穴から出ることもできない。 穴から出る時は、ハシゴを外から入れてもらう。 バケツにロープをつなぎ、穴の外から中へ入れる。 “掘った土をバケツに入れる” “穴の外に出す” を繰り返す。 深さ3mくらいになると、少し息苦しい。 扇風機で穴の中へ風を送っていたが、それでも息苦しい気がした。 エアーコンプレッサーのエアーガンを穴の中に持込み、度々“シュー”と風を噴出しては作業を進める。



穴の深さは約4mまで・・・ ここまでくると、さすがに怖い。
穴の周りの壁が崩れないかが心配になる。 少し、粘土質の土も出てきて湿ってきた。
そこで、穴の底に鉄パイプをハンマーで叩いて打ち込み、“スポッ”と抜いてみた。 すると、小さな穴の底に水が・・・右から左に流れている。
「スゴイ!!土の中を水が流れている」 私のイメージでは、水がジワジワと染み出すイメージであったが、土の中の水は右から左へ・・・大感激であった。



穴が深く危険を感じたので、ここからの作業は「打ち抜き式に」 ホームページ「自分で出来る打ち抜き井戸の掘り方」や、このサイトを参考に掘った人のサイトを見て75mmの塩ビ水道パイプを井戸枠にして、その中を 少しずつ、少しずつ掘っていく。 アドバイスによると、水の深さが2メートルくらあるほうがよいとのこと。この深さになるまで、ひたすらと掘り続ける。根気のいる作業だ。 最初の4mは、わずか1日半。そこからの数センチずつが簡単には進まない。 穴から出てくる土が砂利へと変わると、更に進みが悪くなる。それでもひたすら同じ作業を繰り返し、4日目に突入。

穴の深さは5メートル70センチ

水の深さは2メートル20センチになった。


「これなら大丈夫だろう」 ホームセンターで手押しポンプを購入し、アルミ脚立をとりあえず足場に設置。 わずか75mmの直径で水深2m。すぐに水が枯れてしまわないか不安であった。
期待と不安を抱き、手押しポンプを仮に備え付け、水をくみ出して見る。
すると、「ジャー」「ジャー」と勢いよく音を立てて大量の茶色い水が流れ出てきた。 とても冷たい。 さらにポンプを動かし水を汲み出すと、だんだん水の色が透明に近づく。 子供たちも大喜び。 水遊びの水道代は不要。存分に水遊びを堪能した。
熱い日が続いていたので、道路にも打ち水を。 バケツで「ザブザブ」と大量に。 井戸の穴を掘ったのは、わずか4日。 予想以上の水量に驚いた。 この後、井戸に電気ポンプと蛇口を設置し、ホースで庭木に水やりができるように改良した。




現在の井戸は、 井戸の穴の大きさは、わずか75mm 75mmの穴に、手押しポンプと電動ポンプの吸水パイプを2本挿入。 蛇口をひねると、庭木の水やりには十分なほどの水が出てくる。 さらに、井戸横には小さな池?を。そして“しょんべん小僧”も。 “しょんべん小僧”は、井戸横のポリバケツ(90リットル)に手押しポンプで水を溜めると、水圧(高低さ)でチョロチョロと流れ出る仕組みに。 1回ポリバケツに水を溜めると、約3時間チョロチョロと水が出る。


井戸周りのブロック囲いをレンガ調タイルで装飾した。



井戸掘りを終えて


井戸堀りは、「宝さがし」のようであった。 水が出るかは掘ってみなければ分からない。希望を持って掘ってみる。穴を掘るだけでも、わくわくする。穴掘りがこんなに楽しいとは。 調子に乗って、更に横へもう1本穴を掘るが・・・。水深1m20cmで大きな石にぶつかり、これ以上は不可能と判断。2本目は断念した。 宝は土の中。掘り当てたら格別の気分を味合うことができる。

興味がある方、掘ってみては。


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