IEC(国際電気標準会議)での国際標準化活動について

情報メディア学科 教授 杉浦伸明/SUGIURA Nobuaki

杉浦研究室サイト

IEC(国際電気標準会議)での国際標準化活動について

IEC (International Electrotechnical Commission)とは、スイス・ジュネーブに本部を置く電気・電子系の国際標準化機関で、国際規格としてIEC規格を発行している。日本工業規格(JIS: Japanese Industrial Standard)は、1995年の通商産業省(現、経済産業省)の通達のもとに、IEC規格と整合することになっている。ISO(International Organization for Standardization)は電気分野を除く工業分野の国際規格を定めていて、ISO14000シリーズなどが知られている。小職は、このIECの専門委員会(Technical Committee) 48(略称TC48)にある分科委員会(Sub Committee )48D(略称SC48D)の国際議長を平成22年9月から務めている。小職のIEC TC48/SC48Dとのかかわりは昭和62年からで、気がつけば既に20年超となっている。IECにはTCが94、SCが80ある。TC48、SC48Dで何を議論しているかというと、TC48はElectromechanical components and mechanical structures for electronic equipment(電子装置の機械的構造と電子部品)を標準化対象とし、SC48DはMechanical structures for electronic equipment(電子装置の機械的構造)として、19インチ筺体(IEC 60297)やメトリック筺体(IEC 60917)を基本に、その機械的構造条件やインタフェイス条件、並びに、筺体試験方法について議論し、規格を作成している。SC48Dには28カ国がメンバーとなっているが、主に参加するのは6カ国くらいである。SC48Dは、年1回国際会議を開催しており、今年は中国・北京で10月12日~14日の期間に開催された。国際会議へは日本国の代表という事で参加し(IEC国際標準化活動管轄は経済産業省)、世界の国の代表委員と意見を交わし、標準化規格を作成する。昨年は米国・シアトル、一昨年はスウェーデン・ストックホルムという感じで、世界中の国で会議を開催していて、毎回の会議への道中は一人旅である。会議場で日本人委員と合流という感じ。標準化会議は利害関係、つまり、国益にかかわるので、衝突も発生し、どこで妥協するかという駆け引きもある。その駆け引きがロビー活動等となってくる。さらには、世界各国の委員間同士の信頼関係も重要になる。小職が議長となってから国際規格は2つ制定され、現在も発行待ちのものがある。発行済み規格も数年ごとに見直すという規則があり、自分が係った規格自体も技術進展等でどんどん見直されていく。規格検討も加速化の方向にあり、電子メールは欠かせないツールとなっている。


北京会議の様子

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