愛知工科大学 工学部

機械システム工学科 村上研究室

Lab. 機械システム工学科 村上研究室

人間の安全・安心を継続する「ブレない」研究  機械システム工学科「村上研究室」

地震対策やエネルギー問題など、何気ない幸せな生活を守るため「振動」を極める。

杉森先生(考えてください。)

村上先生からの問題

高層ビルなどの地震の揺れを軽減するのに有効なものはどれでしょうか?
  • 硬い柱
  • 振り子
  • タイヤ

答えは「振り子」です。
実際に地震が起きた際は、地面が揺れるよりも頂上部分は更に大きく揺れます。
その揺れを振り子などによって相殺する技術を「制振」といいます。私の研究室では、この「制振」技術やそれを利用した騒音対策、さらには永久磁石と回転体を利用したエネルギー貯蓄用システムの研究など、社会生活のなかで発生するさまざまなエネルギーを制御・利用し、人間の安全・安心な生活に貢献するための研究を行っています。

なぜ「振動」の研究を??

小さい頃からいろいろな機械が好きで、その仕組みに興味がありました。また中学生の頃から音楽が好きで,ギターやピアノを弾いて歌っていました。そして高校生の頃、YMOというコンピューターと音楽を融合した革新的なグループに出合い、その影響から,当時新設された機械工学と電子工学が学べる電子機械工学科のある大学へ進学しました。そこでいろいろな学問を学んでいるうちに、楽器の音はすなわち「振動」であり、「振動」を研究することが「音」につながるんだということに気づきました。これが「振動」の世界に足を踏み入れたきっかけです。
「振動」に興味を持つと、身の回りに起きる現象や工業製品に発生する問題が、すべて物理法則に従っており、それを数式で表して解くことで原因がわかり、未知の現象を予測できることがわかってきました。なぜ起こるかわからない現象が、数式を解析していくうちに説明でき,数式の解析によって予測された現象が、実験で実際に発生した時など、何とも言えない達成感を感じます。そんなことから、どんどん「振動の研究」にのめりこんでいきました。
この世に存在する全ての物には「固有振動数」と呼ばれる振動数があり、その振動数に近い周期的な力が加わると共振現象が発生して大きな振動が起こります。これは楽器だけでなく、自動車や航空機から事務機器などの機械、長大橋や高層ビルなどの建築構造物についても例外ではありません。つまり、「振動を研究する」ということは社会の至るところに存在するもの全てを研究対象とするということです。今は、社会生活のなかで発生する振動を制御、さらには利用し、社会の安心や利便性に貢献する研究を行っています。

研究テーマの例

振り子を利用したダイナミックダンパの研究

地震が発生した場合、高層建築物などは「共振現象」により地上の揺れよりも頂上部分の方が大きく揺れ、倒壊の可能性が大きくなります。
そこで「振り子」のようなものを設置し、それを振動している物体の身代わりにして振動させることで、振動エネルギーを吸収して元の物体を止めることが可能となります。
そのような装置をダイナミックダンパやチューンドマスダンパといいますが、当研究室では模型などを利用し、大きな力が加わった時などさまざまな条件下で発生する制振効果への影響について研究しています。

ダイナミックダンパの模型を利用し、さまざまな条件を仮定した実証実験を行なっています。

磁気浮上ゴマにインスパイアされたエネルギー貯蓄装置の研究

磁気浮上ゴマとは、十数年ほど前に玩具として発売されたもので、制御を行わず永久磁石のみで安定な浮上が可能であることが、従来の常識を覆すと話題になりました。これは、一見簡単な原理に基づいていると思われがちですが、実はそうではなく、非常に複雑な解析が必要で、安定して浮上する条件もごく限られています。
この磁気浮上ゴマが、非接触で回転体を浮上させられることから、摩擦による損失がなく、回転エネルギーの貯蔵に役立つと考えられ注目されています。つまり、太陽光発電や風力発電によって、昼間や風のあるときに作られた電気エネルギーを回転エネルギーとして蓄えておき、夜間や風のないときにそのエネルギーを使って発電機を回し、電力を得るために使えるのではというものです。
現在は、超電導による浮上を利用して回転エネルギーを蓄えるエネルギー貯蔵用フライホイールという装置が実用化されていますが、永久磁石を利用したものとは異なり、装置そのものに大きなコストがかかります。永久磁石を利用した磁気浮上ゴマの原理を用いたものが実現できれば、そのコストは非常に小さなものとなるでしょう。そうすれば、一般家庭への普及が進み、太陽光発電などで得られたエネルギーを効率的に貯蔵することができ、昨今のエネルギー問題に大きなインパクトを与えることが可能となるでしょう。

研究室で作成した、オリジナルの磁気浮上ゴマで安定的な浮上条件を探っています。

柔軟構造体の位置決め制御の研究

現在の工業用ロボットアームは、高速性の観点やエネルギー消費節約の観点から軽量化が進んでいます。しかし、軽量化が進むことでアームの剛性が低下し振動しやすくなり、部品を組みつける際などにブレて迅速かつ正確な作業ができないという問題が発生します。この振動を抑制するためにさまざまな方法が考えられているのですが、本研究室では「窓関数」などを利用したロボットアームを動かす加速度パターンの最適化という研究を行っています。
この研究はロボットアームだけではなく、クレーンなどの建築機械や、人工衛星の太陽光パネル、アンテナなど、宇宙開発で利用されるような振動しやすい柔軟な構造物を高速に位置決めする際にも有効な研究となります。

ロボットアームを動かす加速度パターンの最適化について、実用化に向けた研究をしています。

好きなこと、面白いこと。それを研究へのエネルギーに。

私は「音楽」という自分の好きなことに対する興味が常にあり、その身近な興味が発展して今の自分の研究があります。
今でもギターの音を研究対象とし、弦のどの部分をどう弾けばどんな音が鳴るのか、それが演奏のニュアンスにどう影響するのか、それを突き詰めるような研究も行おうとしています(笑)。
中には、「楽器の研究なんて・・・」という人もいるかもしれません。それでも、自分が「情熱」を燃やした研究には、どこかに必ず意味を見出す人々がいてくれて、全て未来の技術につながるのではと考えています。
ですから、みなさんには、自分が「楽しい」「おもしろい」という気持ちを大事にして欲しい。その気持ちが、大きな力を産み、豊かな人間の未来へつながっていく、そんな研究を行いたいと考えています。
一度、当研究室を覗いてみてください。そして、自分が好きなこと、おもしろいと思うことを私たちと一緒に考えましょう。

楽しみながら研究ができる。それが大きなモチベーションにつながると思います。

気になった方は、まず資料請求しよう!

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