愛知工科大学 工学部

情報メディア学科 杉森研究室

Lab. 情報メディア学科 杉森研究室

工学技術と芸術を融合した、「メディアアート」という新たな世界 情報メディア学科「杉森研究室」

時代の最先端を行く「技術」と「創造性」を養う研究がここに。

杉森先生(わかりますか?)

杉森先生からの問題

話題の「プロジェクションマッピング」ですが、どんなものでしょう?
  • googleマップを利用してプロジェクターの映像を投影する

  • 対象物の形状に合わせ、映像素材を貼り合わせて投影する

正解は(2)の「対象物の形状に合わせ、映像素材を貼り合わせて投影する」です。
「プロジェクションマッピング」はまだ新しい言葉なので、これから用語の意味が変化していくかもしれませんが、私の研究室では3次元物体(立体物)の形状に合わせて映像を作り、プロジェクターで投影する技法をプロジェクションマッピングと呼んでいます。これは映像を使って様々な空間演出をすることができる投影技法です。例えばビルや車などの立体物の形状を生かして、効果的な映像を制作し投影すると、止まっているはずのビルや車があたかも動いているように見せたり、変形しているように見せることができます。

工学部で「アート」の研究!?

杉森順子研究室(映像制作実験室)は、工学部では一風変わった「メディアアート」という研究を行ない、映像を活用したコンテンツを制作しています。
みなさんは「工学部になぜアート??」と思われるかもしれませんが、「メディアアート」とは様々な工学技術とアーティストの創造性を融合させた、新たな芸術作品の分野です。

私のまわりでも、さまざまなアーティストが活躍しています。壁に飾ってあるのが、友人が行なっている作品展などのお知らせハガキの一部なのです。みなさんの作品にいっぱい刺激をうけています。

最近では、「プロジェクションマッピング」の映像技術がNHKの紅白歌合戦で使われ、画面のなかでいきなり建物が動きだすような演出で視聴者を驚かせました。また、 東京駅や札幌雪まつりでの映像演出も大きな話題となっています。
私の研究室でも、この「プロジェクションマッピング」など映像によるメディアアートやメディアデザインの研究を通じて、さまざまな作品を制作しています。またメディアアートは、文化庁が日本の芸術文化振興の一環として、1997年から「メディア芸術祭」という展覧会を主催するなどして支援に力を入れており、こうした分野はこれから非常に伸びていく分野だと思います。

プロジェクションマッピングなどのメディアアートは、素材の撮影や映像の合成、編集作業など、さまざまな工程を経て実現します。その際に使う技術や知識は、さまざまな工学研究に通じるものもあり、技術力の高いAUTでメディアアートを学ぶことには大きなメリットがあります。

「プロジェクションマッピング」とは

プロジェクションマッピングとは、映像を投影物(建物やステージなど)の形状に沿って映像を貼り合わせて作り、プロジェクターで投影する技法です。CGやプログラムなどの画像処理技術を用いることで、大掛かりな工事をすることなく映像だけで、街中のビルを変化させたり、投影物があたかも動いているように見せたり、また舞台上にさまざまな演出を加えることなど可能となります。
このプロジェクションマッピングという手法は、視聴者のすぐ近くで驚き伝えることができるため、最近はイベントや広告の世界でもその活用の可能性が注目されています。私もアート作品の制作や仕事にこの技術を活用しています。

アート作品でのプロジェクションマッピング活用事例

この「Tempus Fugit―時は飛ぶように速く―」は、プロジェクションマッピングを用いて、アルミチューブや壁面と映像を組み合わせて空間を創作したアート作品です。愛知県が主催するあいちトリエンナーレ地域展開事業「現代美術inとよはし」展に招かれ制作しています。
作品は、2011年3月11日の東日本大震災によって亡くなられた方への鎮魂と、甚大な被害を受けた地域が再生を果たし、明るい未来が開けて欲しいとの願いを込めて制作しました。
有機的な形状で天井から床につながるアルミチューブは、細胞を繋ぐ血管、成長する植物、天と地の繋がり、母と子をつなぐへその緒などをイメージしています。映像は生命の誕生、成長、繁栄、死を映し出し、そしてまた新たな未来に向けて輝きはじめる希望を表現しています。

また作品には科学研究費の補助金を頂いて、小沢慎治教授と共同で研究開発中の「マスク画像を生成して立体だけに映像を投影する」ソフトウェアの研究成果も活用しました。

マスク画像

撮影した作品

これは撮影した画像から画像処理技術を使いアルミチューブだけを認識して、自動的にマスク画像を作る研究で、現在もよりよいシステムにするため継続して研究を続けています。
このように芸術と工学が共に協力すると、新しい技術の開発や映像表現の可能性が広がっていくことが期待できます。

社会でのプロジェクションマッピング活用事例

これは私が制作に携わった、静岡市立治水交流資料館「かわなび」です。この博物館は、昭和49年7月7日に静岡市に甚大な被害をもたらした「七夕豪雨」の記録や治水対策事業について、わかりやすく学ぶため建てられた公共施設です。
ここでも映像コンテンツにプロジェクションマッピングが用いられています。

マスク画像

建物に入ると正面に大型スクリーン、床面には大きな立体の白地図が現れます。

撮影した作品

大型スクリーンで上映される七夕豪雨のドキュメンタリー映画、アニメーションなど4本の映像に合わせて、立体白地図にプロジェクションマッピングされた映像が映し出されます。
山が現れ、雲が流れ、水が湧き出て川になるなどストーリーによって立体地図は次々と変化し、見ている人を飽きさせない工夫が随所に施されています。

巴川流域の高低差
1974(昭和49)年 七夕豪雨
現代の姿

また、壁も物語の豪雨の状況に合わせて、雨と水量を示す映像が投影されます。降りだした小雨がやがて土砂降りに変わり、水かさがどんどん増して背丈を越えていった実際の豪雨も怖さを体感することが出来ます。(写真提供:丹青社)

このようにプロジェクションマッピングは立体物に投影することで、空間に様々な演出をすることができます。
こうした映像演出はこれからますますイベントや広告、アートの世界でも活用が広がっていくと考えられ、その表現の可能性が注目されています。

メディアアートや映像の楽しさを伝えたい

私は、AUTに着任するまでテレビ番組や映像コンテンツ制作の仕事に20年以上携わっていました。
ディレクターとして携わった制作物の数は100タイトルを超えます。そのさまざまな制作の現場で感じたことは、「映像制作」の面白さと生みの苦しみです。そして、テレビの映像制作に加えて、さまざまな技術や手法を用いたアート作品も創りだしていますが、やはり私のクリエイティブの根幹は「映像を使って何が表現できるか」という点です。だからこそ、映像を研究し「メディアアート」をもっと私も楽しみたい。そして、学生のみなさんと共に、さまざまなコンテンツを創りたいと考えています。

黙々と長い時間作業が必要なこともありますが、楽しんで作業が出来るように学生とのコミュニケーションも大事にしています。

映像やメディアが創りだすものが社会にどのように貢献できるか、その実践にも力を入れています。例えば、広告やイベント、町おこしにまで貢献できるという期待感もあり非常に楽しみな分野です。また、この分野の研究はまだまだ発展途上でもあり、今後さまざまなテクノロジー(工学技術)を組みあわせることにより、さらなる発展が期待されています。
AUTは、そのテクノロジーの宝庫であり、単なる映像技術だけではなく、いろんな技術や知識も複合的に学べる環境だと思います。
そして、メディアアートが生み出す感動が「見る側」だけにとどまらず、「作り手側」の感動も増やしていきたいと考えています。創る過程で費やす多くの時間やアイデアが成果として報われた時の感動をより多くの学生に味わってもらいたい。そして、もっと多くの人が映像やアート分野に興味を持って、関わってもらいたい。そのために、私たち教員も全面的にバックアップしていきます。もちろん、今後ご入学される方々も一緒です。
「メディアアート」が生み出す「感動」が社会にインパクトを与え、より良い生活のためのファクターとなり、また学生のみなさんと一緒に成長しながら映像表現の発展を担って行きたいと思いますので、ご興味のある方はぜひ研究室に遊びに来て下さいね!

アートにも環境は重要です。AUTには専用のスタジオなど、撮影の設備も充実しておりますので、皆さんの創造性を発揮できる環境が十分にあると思います。

気になった方は、まず資料請求しよう!

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