自称長岡教信者?
情報メディア学科 准教授 石川雄二郎/ISHIKAWA Yujiro
自称長岡教信者?
長岡教とは?長岡教とはカリスマオーディオ評論家の故長岡鉄雄氏を総帥と崇めるアナログレコード音楽愛好家の集団であるが、政府には認可・登録されていないので信者はすべて自称であると思われる。まず、その主な布教精神と教義(狂義?)を紹介しよう。
教義(狂義?)
- CDよりレコード(アナログディスク)を愛好する(音がよいので?)。
- 低コストパフォーマンスは否定する(ブランド志向否定)。
- 重厚壮大(=物量投入型)をよしとする。
- アンプは2時間以上通電して音が良くなってから聴く。
- プリアンプはヘッドアンプ型をよしとする(例 デンオンPRA-2000)。
- パワーアンプはFET型をよしとする(例 ローディHMA-9500)。
- スピーカは高能率型をよしとする(例 バックロードホーン型等)。
- レコード鑑賞は切り株に座り、姿勢を正して聴く。
- 鉛製の重りをアンプ、スピーカ等におき振動を押さえる。
まず、良い音についてである。「ワンポイント録音あるいはペアマイク録音(2本程度のマイク)で録音され、加工されていないものがベストである」が長岡教の底流である。しかし、国内で販売されているレコードは音楽評論家が、例えば、クラシックレコードについて「○○○会社のレコードは第△△楽章でトライアングルの音が聞こえないので音の良くないレコードである。」といった評論をするので、レコード会社は小さなトライアングルの音を拾うため専用マイクを立てる。他のパートについても同様に各専用マイクを立てて録音するマルチマイク録音が主流であるが、長岡教祖はこれを一喝する。実際にこれは真実で、確かにマルチマイク録音のレコードは音量を上げると各マイクの音が我先にと喚き、ヒステリックで聴くに堪えない状態になるように思う。それに比べワンポイントあるいはペアマイク録音のレコードにはこのようなことはない。「ほんまかいな?」と思われる方は次のレコードを探して聴いてみて頂きたい。納得(長岡教へ入会?)されるはずである。
音場感あふれるレコード
- カンターテドミノ prorius prop7762
- エグベルト・ジスモンティ「ソロ」独ECM 1136
スピーカシステム
長岡教祖はオリジナルスピーを次から次へと湯水の如く発表し続けた天才である。雑誌に新作を発表すると、そのスピーカに使用されたスピーカユニット(フォステクス社製が多かった)秋葉原から消える(完売)という伝説をもち、自作スピーカマニアから絶大な信頼を得ていた。また、スピーカシステムはバックロードホーン型(極めて高能率で100 dB以上)+共鳴型スーパーウーファーを基本としていた。これらはスピード感あふれる再生を求めて達成されたもので、例えば、38センチあるいは40センチ以上の大口径の重いコーンのスピーカユニットによるドローンした重低音再生をよしとせず、アコースティックフィルタ方式の軽い重低音の再生を信条としている。右の写真中央の電柱(冷蔵庫?)のようなものが、教祖設計のスーパーウーファーDRW1-Mk2である。

部屋を振動させるような軽い重低音を楽々と体感できる、納得!?(それにしてもデカイ!)。 最後に写真の説明、スピーカ 左:教祖設計 バックロードホーンD-55 、中:YAMAHA NS- 1、右:教祖設計 スパーウーファーDRW-1 MK2である。現実には音のよいレコードはマイナーレーベルから発売されている民族音楽等が多いので、クラシック(マルチマイク録音)音楽を聴くときには中央のNS-1スピーカで音を丸めて聞いている。手前は、SP-10 ターンテーブル(1970年発売 日本が世界に誇るダイレクトドライブ方式第1号)で、単にあこがれ?から組み込んでいる。その下はパイオニアM-22(1976年発売 A級30Wステレオアンプ)で、このA級アンプ(というより電熱器)は電源オン後10分程度でよい音になるので重宝している。本当は上述の教義(4)によれば、2時間待たなければならないが・・・・・。年代物であるがいずれも昔のエンジニア想いを醸し出す優れもの?ばかりで、すべて現役である。


