情報通信ネットワーク・ITS(高度交通システム)
近距離無線を用いた交差点安全支援に関する研究
この研究は、交差点事故の約7割を占める信号機のない交差点事故を未然に防ぐため、ジグビーと呼ばれる近距離無線を用いて、ドライバーに他車が近づいていること通知するシステムに関するものです。具体的には、端末を車に搭載し、中継機、親機を路上に置いて、2.4GHzの無線で通信を行うシステムです。実際、2011年10月から2012年の1月にかけて、蒲郡市内の小規模交差点にて実証実験をおこない、端末につながるパソコン画面に他車が近づいていることを知らせる警告が表示され、その有効性が確認できました。従来、総務省主導で、首都圏や愛知県で検討されているシステムは、大規模交差点向けが中心であり、小規模交差点までカバーできていないのが現状となっています。このシステムを使えば、小規模交差点における出会い頭衝突防止に貢献できるだけでなく、トータルの消費電力やコストを1/10以下に抑えることが可能です。本システムは、2012年8月3日付の中日新聞朝刊でも紹介されました。なお、本システムは自動車だけでなく、自転車や歩行者にも適用が可能となっています。今後は商用化を意識しながら、研究を進めていきます。

- 交差点に配置され、車と道路間ネットワーク全体を制御する装置の実験を行っています。

- 車載器にノートPCを接続し、他車が近づいていることを警告する画面が表示されるかを検証する実験。
交差点における実証実験
車載器として、ZigBee端末、路側にルーター、交差点にコーディネータを置き、(図1)に示す実証実験を行いました。(図2)は車載器につながるノートブックPCに出される警告画面です。

- 図1 実証実験

- 図2 警告画面例
宇野新太郎教授
専門分野
情報通信ネットワーク/モバイル通信ネットワーク
経歴
東芝総合研究所/ノキアリサーチセンタ東京/モトローラ日本研究所/Huawei Technologies Japan
メッセージ
28年間企業での研究開発の経験を生かし、もの作りの感動を少しでも伝えることができたらと思います。また、どんなに無理だと思っても、やればできるという気持ちさえあれば、必ず目標をクリアできます。一緒に挑戦しよう。