機械システム工学科 林寛幸

月下美人:冬に咲く月下美人

機械システム工学科 講師 林寛幸/HAYASHI Hiroyuki

冬に咲く月下美人

2月8日(土)、日本全国を大雪が、猛威をふるったその日の夜、学内の私の研究室のビニルハウスで冬休み中の月下美人が、見事な変化を遂げてくれました。 
この日、全国の各所で大雪が降り、市民の生活に大変な影響がでたその日です。しかし、ここ蒲郡に至っては、雪ではなく冷たい雨が降っていました。
部屋のビニルハウス内におさまっていた月下美人が、一輪だけ開花しました。
実は、最近まで月下美人のつぼみが膨らんでいることなど気づきませんでした。逆算すると正月以前につぼみが上がってきた計算になります。 
それと、暑い時期のつぼみなら膨らみ具合で開花日はたいていわかりますが、今回の月下美人の膨らみ具合を見ても開花日をあてることはできませんでした。

真冬の月下美人の開花

真冬の月下美人の開花は、始めての経験で、果たして真夜中に咲いてくれるのかどうかもわかりません。冬季で栄養分が十分ゆき渡っていないこの時期に咲き切るだけのエネルギがあるのかも疑問でした。 
結果的には、無事に月下美人は見事に咲いてくれました。

冬季に月下美人を咲かせるにはどうしたらいいか?

日本では、「冬」という季節がある限り、本州あたりでは無理ではないでしょうか。台湾など亜熱帯地方なら1年中咲かせることも可能だと思います。

今回ここで加温設備なしの条件で、なぜ咲くことができたのかを検証してみました

部屋のビニルハウス内の温度が、10度を下回らなかった。

昼間部屋にいるときの暖房の熱が、夜間暖房が切れてからも部屋の温度低下を防いでくれた。

昼間の温度がさほど高温にならなかった。

温度が高温過ぎたり、昼夜の温度差があり過ぎると、つぼみは落下します。

月下美人が冬でも休眠期でなく活動期を持続した。

夏の間の活動時期をこの株に限って冬季もずっと持続していてくれたようです。

夏の間に蓄えたエネルギが十分であった。

夏季に根や太陽から十分なエネルギの補給を受けて、丈夫な株に育ってくれた。

ビニルハウス内の水分・湿度管理が適切であった。

株は、冬季に限らず水分を与えすぎても、少なすぎても生育に影響が出ます。

真冬の月下美人の動画

それでは、冬の月下美人をご堪能ください。