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令和7年度 卒業証書・学位記授与式を行いました

2025年度卒業証書・学位記授与式

3月14日(土)、愛知工科大学体育館にて第15回愛知工科大学大学院、第23回愛知工科大学、第38回愛知工科大学自動車短期大学の2025年度卒業証書・学位記授与式を挙行しました。

学長式辞

この度、本学をめでたく卒業され、学士(工学)の学位を受けられた機械システム工学科、電子ロボット工学科、情報メディア学科の工学部卒業生諸君、並びに短期大学士(自動車工学)の学位を受けられた短期大学自動車工業学科の卒業生諸君、そして修士(工学)の学位を受けられた大学院博士前期課程修了生諸君に心よりお祝いを申し上げます。

また、本日の式典にご参列いただいた保護者の皆様方にも、心よりお祝いを申し上げます。大学卒業までの間、何かとご苦労があったこととお察し申し上げます。本日は、みなさまにとって感慨もひとしおの事と思います。本学に対して賜りましたご支援に対し、改めて敬意と感謝の意を表したいと存じます。ありがとうございました。

さて、現在、社会の変化に目を向けますと、近年の地球温暖化に伴う環境問題や地震、台風などの自然災害が多く発生したほか、世界では戦争や武力衝突も続いており、いずれも今なお収束の兆しが見えていません。一方で、少子高齢化社会への対応など、さまざまな課題にも直面しています。また、急速なコンピュータの進歩の中、教育へのICT導入や社会へのDX技術の普及、さらには人工知能、とりわけ生成AIの発展などにより、豊かな社会の実現に向けた新たな可能性も広がりつつあります。このように、私たちを取り巻く社会は、予想を超えるスピードで急激に変化しています。

かつて米国ゼネラル・エレクトリック社CEOであったジャック・ウェルチは「変化を恐れるな。変化の中にこそ、未来がある」という言葉を残していますが、まさにこの言葉の示すとおり、現在の激動の時代を乗り越え、新たな可能性を切り開いていくことが、私たちには求められていると言えるでしょう。

このように激しく変化し、厳しい状況が続く世の中で、若い皆さんが社会に貢献し生き抜くために、ぜひ心に留めていただきたいことを、これから少しお話ししたいと思います。皆さんは文部科学省が唱えた知識基盤社会と言う言葉を聞いたことがありますか。欧米では「Knowledge-based society」と言われてきましたが、学びや研究を通して新しい知識や技術を身につけ、社会のあらゆる領域での活動の基盤となる社会を目指すという意味です。卒業される皆さんにとって、これからの知識基盤社会においては、知識や技術だけではなく社会的スキルが極めて重要であると私は感じています。この社会的スキルとは、人間的な優しさや思いやりをはじめ、他者を励ましたり共感したりする能力のことです。さらに、組織においては協調性や対話力が特に求められます。

こうしたことからも、本学で学んださまざまな知識や経験を存分に活かし、社会で力を発揮してほしいと思います。皆さんも良く知っているiphoneを作り上げたスティーブ・ジョブズは、ちょうど私と同じ年の生まれであり、彼が製品化したアップルIIと言うコンピュータを私が大学院生時代に目にして大変感動し、ベーシックやC言語で夢中にプログラミングしたことを今でも思い出します。彼はスタンフォード大学でこのような卒業式のスピーチの中で、「Connecting the dots」という言葉を残しています。直訳すれば「点と点をつなぐ」という意味ですが、過去のさまざまな経験が、当時は想像もしなかった形で結びつき、価値の高いものを生み出すことを表しています。これは、科学における大発見やビジネスにおけるイノベーションの契機となる「セレンディピティ(Serendipity)」を意味する言葉であるとも言われています。

これらを実現するためには、大学で培ってきた幅広い経験を積み重ねながら、多角的かつ柔軟な視点で物事を捉え、考える習慣を生かすとともに、自らの責任のもとで主体的に行動することが重要です。皆さんがこれから踏み出す実社会においては、そのような自立した責任ある行動を通して周囲から信頼を得て、仕事の面でも社会から高く評価されることでしょう。さらに、経験を重ねるにつれて、自立と責任に対する意識を一層強く持つことが求められていきます。
これから卒業後の新たな環境において自立していくための要となるのは、本学の教育理念にも掲げられている「社会から必要とされ,それに応えて責任を果たす人材」として行動することです。それこそが本学の建学の精神を体現する姿であり、社会から喜ばれ、歓迎される存在となることにつながります。

皆さんが自立した人間として歩んでいくことは、皆さん自身やご家族のためだけでなく、社会にとっても大きく期待されている重要なことです。自立した個人が集まる社会こそが、健全な社会の礎となると言えるでしょう。

ここで、今日、この良き日に卒業生の皆さんに、私の人生観から、心にとめて頂きたい五点をお伝えしたいと思いますので,参考にしてください。

  • 一、 自立した自分らしさを大切にすること。
  • 二、 行動に自信を持てる自分になること。
  • 三、 自分の言動にしっかり責任を持つこと。
  • 四、 広い視野と価値観を多く持つこと。
    このことは、特に、現代のグローバル社会において、日本だけでなく、世界的な視野と価値観を持つことが重要であることは言うまでもありません。今、世界中が様々な状況の中で大きく変わろうとしていますので、皆さんには特に大事なことです。
  • 五、小さくても常に夢や目標を持ち、目標に向かって絶えずチャレンジすること。
    このことは、皆さんもよくご存じの渋沢栄一や、江戸時代の教育者である吉田松陰も、同様の言葉として、「夢なき者は理想なし」、「理想なき者は信念なし」と語っています。夢や理想は未来への願いにつながっていきます。

これらは、皆さんが自立し、成長し続けていくことを期待して申し上げたものです。もちろん、躍動する現代社会の中で自立していくためには、これらのことだけでなく、多くの困難や苦労に直面することもあるでしょう。しかし、これまで培ってきた経験を生かしながら、目標に向かって絶えずチャレンジ・挑戦する気持ちを持ち続けてください。そうすることで、チャレンジ・挑戦は自らの変化をもたらし、その変化を実感するとともに、自立しながら成長している自分を感じ取ることができるはずです。そして、チャンスは誰にでも訪れます。先ほど申し上げたように、自立に向けた挑戦を続けていけば、自らの目標に近づき、夢の実現へとつながっていくことでしょう。そして、次の目標に向かってさらに挑戦を重ね、自立しながら自らをチェンジさせて、成長し続けていくことを心より願っております。

本学の卒業証書や修了証書は、皆さんが建学の精神に則り、周りから喜ばれ歓迎され、社会において立派に自立していく証でもあり、本学の教育指針である「心を磨き、技を極め、夢に挑む」を座右の銘として胸に刻み、夢を持ち、その夢に挑み続けながら、生涯にわたって技術専門家あるいは研究者として、また一人の人間として、仲間とともに成長し続けられることを期待しています。このことを忘れずに、それぞれの新しい環境で健康に留意され、明るく活躍されることを祈念して、私の式辞と致します。

本日は誠におめでとうございます。

2026年3月14日
愛知工科大学、愛知工科大学自動車短期大学
学長 大西 正敏