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情報メディア学科 吉岡 毅 助教の論文が国際ジャーナル「Psychological Research」に掲載されました

情報メディア学科 吉岡 毅 助教の論文が国際ジャーナル「Psychological Research」に掲載されました。

論文タイトル

Metacognitive reflections on trajectory strategies in mixed reality: real-time and retrospective reports during mental jigsaw puzzles
(複合現実における軌道方略に関するメタ認知的内省:心的ジグソーパズル課題における同時的・回顧的報告)

著者

吉岡毅(研究当時:京都大学博士課程学生)、齋木潤(京都大学教授)

概要

これまで、二つのブロックが横に並んでいて、それらが同じかどうかを判断する課題(一致判断課題)では、同じくらい向きが違っていれば、考えるのにかかる時間も同じくらいになると考えられてきました。たとえば、60°時計回りにずれている場合と、60°反時計回りにずれている場合では、同じくらいの時間がかかると考えられていました。これは、日常生活でブロックを手で回すように、頭の中でも回して答えを出している証拠とされてきました。この現象は、教科書にも載るほどよく知られています。ところが最近の研究では、左右の向きによって判断にかかる時間に差が出る可能性が示されました。そこで本研究では、一致判断課題と、パズルのようにブロックがはまるかどうかを考える課題(結合判断課題)を用いて、判断の速さだけでなく、頭の中でどのような動きを思い浮かべていたのかも調べました。具体的には、二つのブロックの間をまっすぐ最短距離で動かすように考えていたのか、それともぶつかりそうな部分を避けて回り道をするように考えていたのかを、複合現実上で示したブロックのアニメーションをもとに答えました。

その結果、反応の速さにはどちらの課題でも左右差が見られ、この傾向が再び確認されました。一方で、参加者自身の答え方には違いがあり、結合判断課題では、日常生活で見られるような回り道をする動きを思い浮かべる傾向が比較的強く見られましたが、一致判断課題ではそのような強い傾向は見られませんでした。また、結合判断課題では答え方が状況によって変わりやすかったのに対し、一致判断課題では比較的安定していました。これらの結果から、人は頭の中で物を動かして考えるとき、いつも同じやり方をしているわけではなく、課題に応じて、より現実に近い考え方と、より単純な考え方を使い分けている可能性が示されました。さらに、自分で感じている考え方と、実際の反応のしかたは、必ずしも一致しないことも示されました。(吉岡)

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