日本における65歳以上の高齢者の割合は年々増加し、医療の発展とともに高齢化率の増加が見込まれます。2024年(令和6年)時点の日本人の平均寿命は、女性が87.13歳、男性が81.09歳と男女ともに世界最高水準の長寿です。この超高齢化社会がもたらす課題としては高齢医療費の増大が考えられます。この高齢医療費を抑制する方法は、健康寿命(男性約72.57歳、女性約75.45歳) を延ばすことであると思われます。平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味します。この平均寿命と健康寿命との差を短くすることが、ヒトとして楽しく過ごせる期間がのびるためとても重要です。高齢者はサルコペニア(加齢に伴う筋肉量の減少および筋力の低下)や骨粗鬆症など体力低下が著しいので、身体機能を高めるためには適度なスポーツや運動が有用です。そのため、これまで各種の福祉機器や運動補助機器を開発してきました。開発してきた機器は、手と足を同時に動かしその負荷を自動で調整できる「運動補助機器」や高齢者の歩行動作に追従して電動で動く「シルバーカー」、北国の雪道での転倒を防止するための「そり型歩行機」、高齢者の立ち上がり動作をサポートする「立ち上がり補助椅子」などとても身近な電動の福祉機器です。同時に、開発した福祉機器をモーションキャプチャなどの動作解析装置と筋骨格モデルによる評価手法を確立してきました。
本研究室ではヒトの動作を計測して、人に優しい福祉機器を目指しています。