事務局 河合武明

井戸掘っちゃいました

入試広報センター 主任 河合武明/KAWAI Takeaki

井戸掘っちゃいました

我が家の庭は、「柿」「栗」「果林」「キュウイ」など、多くの樹木がある。秋にはおいしい果実が家族を喜ばせてくれるが、夏場の水やりがたいへん。特に「キュウイ」の木は、水をタップリ与えないと、葉がボロボロ落ちてしまう有様。
炎天下の日中を避け日差しが和らぐ夕方に、水道の蛇口にホースをつなげて「ジャー」「ジャー」と水やりをしていた。

まず、庭のどこに掘るか考えた。
しかし、水脈がどこにあるかは分からない。 「ここに井戸があったら便利だなあ」と思う場所を選び、早速作業にかかった。

掘った人たちのアドバイスによると、「まずは、掘れるところまで穴を掘る」との意見が多く、その深さは1m~2m。しかし、穴を掘りはじめると、これが楽しい。

汗をかきながら、3人交代で掘り進む。 いつしか、自分の顔の深さまでの穴に。 アドバイスによれば、これくらいの穴でOKのはずなのだが・・・ 掘っているのは 「血液型 A型 トリオ」。 トコトン堀り進み、掘っている自分が土を穴の外に出せない深さに。
気がつけば、自分で穴から出ることもできない。 穴から出る時は、ハシゴを外から入れてもらう。 バケツにロープをつなぎ、穴の外から中へ入れる。 “掘った土をバケツに入れる” “穴の外に出す” を繰り返す。 深さ3mくらいになると、少し息苦しい。 扇風機で穴の中へ風を送っていたが、それでも息苦しい気がした。 エアーコンプレッサーのエアーガンを穴の中に持込み、度々“シュー”と風を噴出しては作業を進める。

穴の深さは約4mまで・・・ ここまでくると、さすがに怖い。
穴の周りの壁が崩れないかが心配になる。 少し、粘土質の土も出てきて湿ってきた。
そこで、穴の底に鉄パイプをハンマーで叩いて打ち込み、“スポッ”と抜いてみた。 すると、小さな穴の底に水が・・・右から左に流れている。
「スゴイ!!土の中を水が流れている」 私のイメージでは、水がジワジワと染み出すイメージであったが、土の中の水は右から左へ・・・大感激であった。

穴が深く危険を感じたので、ここからの作業は「打ち抜き式に」
ホームページ「自分で出来る打ち抜き井戸の掘り方」や、このサイトを参考に掘った人のサイトを見て75mmの塩ビ水道パイプを井戸枠にして、その中を 少しずつ、少しずつ掘っていく。
アドバイスによると、水の深さが2メートルくらあるほうがよいとのこと。この深さになるまで、ひたすらと掘り続ける。根気のいる作業だ。 最初の4mは、わずか1日半。そこからの数センチずつが簡単には進まない。
穴から出てくる土が砂利へと変わると、更に進みが悪くなる。それでもひたすら同じ作業を繰り返し、4日目に突入。

穴の深さは5メートル70センチ

水の深さは2メートル20センチになった。

「これなら大丈夫だろう」 ホームセンターで手押しポンプを購入し、アルミ脚立をとりあえず足場に設置。 わずか75mmの直径で水深2m。すぐに水が枯れてしまわないか不安であった。
期待と不安を抱き、手押しポンプを仮に備え付け、水をくみ出して見る。
すると、「ジャー」「ジャー」と勢いよく音を立てて大量の茶色い水が流れ出てきた。 とても冷たい。 さらにポンプを動かし水を汲み出すと、だんだん水の色が透明に近づく。 子供たちも大喜び。 水遊びの水道代は不要。存分に水遊びを堪能した。
熱い日が続いていたので、道路にも打ち水を。 バケツで「ザブザブ」と大量に。 井戸の穴を掘ったのは、わずか4日。 予想以上の水量に驚いた。 この後、井戸に電気ポンプと蛇口を設置し、ホースで庭木に水やりができるように改良した。

現在の井戸は、 井戸の穴の大きさは、わずか75mm 75mmの穴に、手押しポンプと電動ポンプの吸水パイプを2本挿入。 蛇口をひねると、庭木の水やりには十分なほどの水が出てくる。 さらに、井戸横には小さな池?を。そして“しょんべん小僧”も。 “しょんべん小僧”は、井戸横のポリバケツ(90リットル)に手押しポンプで水を溜めると、水圧(高低さ)でチョロチョロと流れ出る仕組みに。 1回ポリバケツに水を溜めると、約3時間チョロチョロと水が出る。

井戸周りのブロック囲いをレンガ調タイルで装飾した。

井戸掘りを終えて

井戸堀りは、「宝さがし」のようであった。
水が出るかは掘ってみなければ分からない。希望を持って掘ってみる。穴を掘るだけでも、わくわくする。穴掘りがこんなに楽しいとは。
調子に乗って、更に横へもう1本穴を掘るが・・・。水深1m20cmで大きな石にぶつかり、これ以上は不可能と判断。2本目は断念した。
宝は土の中。掘り当てたら格別の気分を味合うことができる。

興味がある方、掘ってみては。