自動車工業学科 加藤寛

2019 AUTOBACS SUPER GT ROUND3 SUZUKA GT 300km RACE ホスピタリティラウンジ 観戦記

自動車工業学科 助教 加藤 寛/KATO Hiroshi

2019年6月ぐらいにアップされていると思います。


この「AUT FUN」のコラムも今回は短期間での連続掲載で、計24本目となり、特にスーパーGTは毎年観戦に行っています。


今年は開幕戦、岡山の目当てのチケットが、ネットでわずか数秒での完売となり、残念ながら観戦できませんでした。結果的には天候不良で大荒れのレースとなり、クラッシュも出てしまい、30周を終えたところで途中終了。知り合いからLINEで「結果オーライ」を頂きました。

第二戦の富士はチケットを手に入れ、令和に変わる10連休の中での開催で、予選、決勝の二日間で延べ91,800人の来場者だったそうです。
ピットウォークもグリッドウォークも人、人、人で炎天下の中、長蛇の列に並び、日焼けが大変でした。

レースの方は、決勝直前までは好天に恵まれ、順調でしたが右の写真のように雲行きが怪しくなり、決勝直前のグリッド上でレインタイヤに履き替える状態で、スタート直後は雷が轟いていました。
開幕2レース続けての悪天候でした。

毎年一番近い鈴鹿は、学校行事の「オープンキャンパス」と重なり、観戦できませんでしたが、今年はタイミングが合い、チケットも手に入れることができ、さらにそのチケットが「ホスピタリティラウンジ」で、その観戦記を報告させて頂きます。

ホスピタリティラウンジとは、右の写真の真ん中あたり、看板の上に見えるガラス張りの部屋で、鈴鹿サーキットのピットビル2Fにあります。
その他にも色々と特典が付いていましたので、紹介していきます。

ネットからチケット購入手続き後、カード決済すると後日郵送で写真のセットが送られてきます。ラウンジパスや駐車券、各種案内が入っていました。

今回のチケットには駐車券付きを選べる特典があり、また駐車場もプレミアムエリアパス専用の駐車場で、入場ゲートもグランドスタンドに近い、モータースポーツゲート(旧No.9ゲート)と言った、関係者が入場するゲートから入れました。

入場時には右の専用PARKING PASSとLOUNGE PASSのチェックがありました。

毎回、岡山や富士では数時間掛って一般入場していたので、これだけでも大きい特典です。

駐車場は普段、安全運転講習等が行われている、交通教育センターのコースでした。
たくさんのホンダ車が並べてありました。

予選日は6時半ぐらいにゲートオープンとなり、駐車場から100mぐらいでグランドスタンドのパドックトンネルに入れます。
入り口ではパスチェックが行われています。
この距離感も大きな特典ですね。

パドックトンネルを突き当りまで進んで階段を上り、さらにセンターハウス2Fを抜けると正面にホスピタリティラウンジの案内が見えてきます。
部屋数は全部で11あるようです。

11ある部屋のうち、多くはスポンサー用の部屋となり、一般購入者用の部屋は今回、ファミリー用をのぞき、3部屋用意されていましたが、運よく1番の部屋となりました。
先着順かな?

ラウンジ内は自由席の相席ですが、レースの実況放送と、順位やラップタイムなどが一目でわかる、モニターが設置されています。

1番の部屋が良い所は、角部屋でしかも1.2コーナーが見渡せるからです。
ストレートからのオーバーテークは実際迫力があり、見ごたえのある場所です。
これがエアコンの効いた快適な環境で、観戦することができます。
写真は早朝で、コース上ではオフィシャルの方々が準備に追われていました。

ラウンジの前には屋外テラス席があり、真下では給油やタイヤ交換などのピット作業が手に取るように見ることができます。
写真は早朝のオープンピット(公開車検)の準備をしているところです。

予選日の7時よりオープンピット(公開車検)が始まりました。
部屋からピットへの行き来も、すぐ横に階段があり非常に便利です。これも特典。

2019年GT500クラスは昨年度同様15台のエントリー(LC500 6台、NSX-GT 5台、GT-R 4台)で変わりませんが、GT300クラスは29台のエントリーの中、New Machineが3台エントリー。
右の写真はAston Martin Vantage GT3です。3982ccのV8 TWIN TURBOエンジンを搭載しています。

こちらは、McLaren 720S GT3です。
4000ccのV8 TWIN TURBOエンジンを搭載しています。
元の720Sは720PSを表しているそうですが、GT3車両はパワーを抑えているそうです。

こちらは、TOYOTA PRIUS PHV GR SPORTです。プリウスと言ってもFR車両で、エンジンもRC F GT3と共通の、2UR-G 5400ccのV8 NAで、この30号車はハイブリットが非搭載だそうです。
音が半端ないって!

GT300と一言で言っても、FIA GT3、JAF-GT300、JAF-GT300 MCとあり、それぞれ特徴があって、GT500との混走の面白さもありますが、GT300のサーキットごとの走りの面白さもあります。カテゴリーが分からない人はWebで!

日が昇りだんだんと暑くなってくる中、再びラウンジに戻ってくると、これも特典の大会公式プログラムが頂け、飲み物も時間内であれば飲み放題で、テーブルまでオーダーを聞きに来ていただき、運んでもくれます。快適で贅沢なひと時を過ごすことが出来ます。

予選日はその後、FIA-F4の予選、SUPER GT 公式練習、ポルシェカレラカップ ジャパン予選、アジア予選と続いていく中、鈴鹿サーキットには「激感エリア」と言った走行する車両を間近で観戦する場所が3か所、また、離れた「スプーンエリア」への、各シャトルバスが乗れます。
写真は「激感エリア」の一つの2コーナー内側から撮ったDENSO KOBELCO SARD LC500 です。ちょっと流し撮り。

午後からは人気のイベントである「ピットウォーク」があります。ここでも特典で、「プライオリティ入場」と言った、一般入場より予選日は5分早く入場できます。また、ラウンジパス参加者の入場口が2Fなので、日陰で風通しが良く、毎回炎天下の中、長い時間行列に並んでいたことを思うと、素晴らしい特典です。

ピットウォークも終り、FIA-F4の決勝後、いよいよスーパーGT予選が始まります。屋外テラス席の真下からGTマシンが出て行きます。
予選はノックアウト方式で、詳しくは以前の「AUT FUN」を参考にして下さい。

Q1、Q2の結果、GT300クラスのポールポジションは、とびらの写真の№25号車、「HOPPY 86 MC」となりました。チームは「つちやエンジニアリング」です。プライベータチームで、今期は初戦の岡山でクラッシュしてしまい、修復には同じGT300に参戦している「TEAM UPGARAGE」が昨年まで同じマザーシャーシを使っていたので車両を提供してもらい、パーツを移植し富士から参戦しての、今回のポールポジションで、決勝でもドラマがありました。
GT500クラスは、Q2のチェッカーフラッグが振られた最後の最後に、№36号車「au TOM`S LC500」が逆転でポールポジションを獲得しました。

予選日はその後、ポルシェの決勝、人気イベントの「キッズピットウォーク」と続きますが、渋滞を考えサーキットを後にしました。岡山や富士では車中泊をしていますが、鈴鹿は片道1時間半なので、余裕で往復できます。さすが近場です。

決勝日は8時半からFIA-F4の決勝から始まりますが、「ピットウォーク」のため、早々と列に並びました。昨日と同様、日陰で快適に待ちます。決勝日の特典で「プライオリティ入場」も昨日よりさらに一般入場の15分前に入れます。

せっかくの機会なので入場と同時に№1号車「RAYBRIG NSX-GT」のドライバーのジェイソン・バトン選手と山本尚貴選手のサインを頂こうとしましたが、さらに5分早く入場できる「VIPスイート・プレミアム」の方々で、定員に達してしまいました。残念!

その後選手紹介が行われるところ、ラウンジでこちらも特典の「スペシャルランチBOX」を頂きました。モニターで選手紹介をじっくり見ながら頂き、贅沢ですね。
ポルシェの決勝も見晴らしの良く快適なラウンジでゆったり観戦しました。

モニターでは予選のダイジェストが流されたりしていました。
いつも決勝でもなかなかコース全体の様子はつかみにくいですが、実況放送を見ながら、ホームストレート、1,2コーナー、S字コーナーあたりまで見渡せるので、本当にプレミアムな場所でした。

今回ひとつ残念だったのは、いつもグリッドウォークに参加していましたが、このパスにはその特典がありませんでした。
しかし、写真にあるようにめちゃくちゃ人が多かったですね。

グランドスタンドでは各ファンシートから、ビッグフラッグによる応援が行われています。「SUBARU」「LEXUS」「ARTA」「Keihin」「Honda」とあり、今回「東海地区スバルグループ、スバル販売会社グループ一同、株式会社SUBARU、スバルテクニカインターナショナル株式会社」各位のご厚意により、本学1年生の学生をイベントに招待していただきました。応援席のどこかにいると思います。この場を借り、お礼申し上げます。

開幕、第2戦と悪天候のため中止されていましたパレードラップですが、30度近い暑さの好天に恵まれ、三重県警の白バイ6台、パトカー3台によるパレードラップ後、1周のフォーメーションラップがあり、ローリングスタートによる52周の決勝レースが始まりました。
望遠で1コーナーを写しましたが、ちょっと遠かったですね。

2F屋外テラス席からメインストレートの車両を撮りましたが、フェンスが邪魔でしたね。3Fのホスピタリティテラスの指定ブースにも入れるので、そちらから狙えば良かったかも。

決勝レースは序盤、それほど変動はありませんでしたが、17周目にクラッシュがありセーフティーカーが導入され、その間ピットには入れず、23周目に再開されるや、丁度折り返しのタイミングで、多くのチームがピットに入り、ドライバー交代と給油作業があわただしく行われていました。
その時の動画ですが、GT300の25号車はタイヤ無交換作戦を取っていました。

レース終了後の表彰式も一般では入れない、表彰台の真下まで行くことが出来、場所によってはシャンパンファイトにかかってしまいそうです。

写真はGT300クラスの表彰ですが、今回優勝した№96号車の「K-tunes RC F GT3」のドライバーの一人は、2年生の学生と同じ年の19歳、「阪口晴南」選手で、スパークリングの日本酒によるシャンパイファイトなので、未成年だから逃げていて、ある意味、すごい選手が活躍していて、これからが楽しみです。

GT500クラスは終わってみれば1,2,3位「LEXUS」独占の表彰台でした。特にNo.36号車「au TOM`S LC500」の「関口雄飛」選手のタイヤ消耗を抑えながらのペースコントロールは素晴らしかったです。
今回のレースは好天に恵まれ、非常に楽しめたレースでした。

表彰式も終り、ピットではあわただしく撤去作業が行われ、メインストレートには戦い終わったGTマシンが車両保管のため綺麗に整列していました。圧巻でしたね。
さすがに決勝日の帰りは大渋滞で、特典である駐車場の出口がチームのトランスポーターの出口でもあり、しばらく待機してから家路につきました。後日知りましたが、クラスの学生も数人
観戦に来ていて話を色々しました。

いかがでしたか?今回は「ホスピタリティラウンジ」観戦記で、少し変わった視点からお届けしましたが、学生には値段的には厳しいかもしれませんが、社会人になって自分で給料を稼いで、是非今後も自動車を楽しんでもらいたいと思います。

前回のAUTFUN「新城ラリー2019」でお知らせした、世界ラリー選手権(WRC)の情報が2019年6月13日付け 中日新聞発表では、愛知、岐阜で開催される見通しとの報道発表がありました。地元での開催で大学から近い新城市でも行われるようなので、非常に楽しみです。