愛知工科大学 工学部

高度交通システム(ITS)研究所

未来の自動車社会を拓く

ITSとは、Intelligent Transport Systemsのことであり、道路交通が抱える様々な課題(事故や渋滞など)をセンシング・通信・情報処理技術を用いて高度化することによって解決を目指す交通システムのことであり、近年の代表的な例としてはETCが挙げられます。愛知工科大学では、2008年に高度交通システム(ITS)研究所が設立され、初代ITS研究所長に小沢慎治愛知工科大学名誉教授(慶應義塾大学名誉教授)が就任、その後、小塚一宏愛知工科大学名誉教授に引き継がれ、2017年に愛知工科大学宇野教授が、2018年に愛知工科大学荒川教授が高度交通システム(ITS)研究所長に就任しております。なお、2年に1回のペースでITS研究所シンポジウムを開催し、内外の研究者を招いて研究活動を広く紹介するとともに、名古屋市で開かれるITSワールド展示会などにも積極的に参加しています。

ITS研究所のとりくみ

愛知県は自動車王国であり、その分、交通事故も多くなっています。高度交通システム(ITS)研究所では、自動車を中心とした道路交通において、重要課題である安全性の向上と、環境の改善を目指して研究活動をしています。近年は自動運転の普及を意識して、自動運転システムへの依存・過信に関する研究や、東日本大震災以降重要なテーマである減災について、津波擬似体験と避難行動についての研究も行っています。また,2019年度からは、科研費基盤研究(B)が、ITS研究所のメンバと東北大学未来科学技術共同研究センターとの共同研究として採択されました。「津波避難時の危険予知意識向上と避難手法の選択に資するKYTシート・アプリの開発」というテーマで共同研究を進めて参ります。

主な設備

平成20年度「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の中で、「次世代高度交通システムのための基礎的研究とその実利用」が採択され、ドライビングシミュレータ、リアルタイム3次元動作解析システム(モーションキャプチャ)などの大型設備を導入しました。特にドライビングシミュレータは東海地区で2番目の規模となっています。

高度交通システム(ITS)研究所 所長

機械システム工学科 教授 荒川 俊也


機械システム工学科 教授 荒川 俊也

専門

人間工学(最近は特に自動運転時のヒューマンファクターに関する研究)、ヒューマンマシンインタフェース、統計科学、機械学習など

職歴、経歴

2017年より政策研究大学院大学 政策研究センター 客員研究員を兼務
2016年 同大学 同学部同学科教授、大学院工学研究科 教授併任
2013年 愛知工科大学 工学部機械システム工学科 准教授として着任
総合研究大学院大学複合科学研究科統計科学専攻博士後期課程修了 博士(学術)取得
富士重工業(株)(現:(株)SUBARU)スバル技術研究所

研究内容

自動運転に対してドライバーが依存するかどうか、また、自動運転のシステムがダウンして全ての運転権限が委ねられたドライバーの負担が増えるか、ということを研究しています。主に脳血流や眼球運動、心拍など生理指標の観点からの検証を行っています。その他、香りを使った予防安全システムの開発や、覚醒度および疲労度検出システムの開発など。企業と連携して進めているテーマもあります。

好きなこと

競馬観戦、競馬場巡り、温泉巡り、博物館・美術館巡り、レトロゲームなど、常に「広く浅く」。面白そうなものは何でもやってみています。


所長インタビュー


Q.研究所での取り組みは?どんな研究を?

A.高度交通システム(ITS)研究所全体で進める研究と、個々の研究者が進める研究で成り立っています。全体としては、科研費基盤研究(B)のテーマとして,東北大学未来科学技術共同研究センター次世代移動体システム研究プロジェクトとの共同研究を行っています。個々の研究者のテーマとしては、「近距離無線を用いた交差点安全支援システムの研究」「自動運転システムに対する過信・依存に関する研究」「ドライビングシミュレータやヘッドマウントディスプレイを使った津波擬似体験や避難誘導の研究」「ドライビングシミュレータを使った視線計測」「『歩きスマホ』の危険性の研究」などを進めております.論文発表や学会活動も旺盛で、海外のジャーナルや国内の学会誌への掲載,国際会議や国内での学会で多数発表しています。

Q.研究の目指すところは?

A.愛知県が14年連続交通事故死者数ワーストワンとなっており、このような背景のもと、如何に交通事故を減らすかを念頭に、路車間通信、ドライバーの状態推定、ドライバーの視線計測などいろいろなアプローチで研究を行っています。また、2011年の東日本大震災以降重要なテーマとなっている減災について、大きな津波が起きても確実に避難できるような誘導方法など積極的に研究を進めています。これらの成果を社会に還元するために、各自治体、団体向けにデモ、講演、セミナーや高校での出前授業・講演なども積極的に進めて参ります。

Q.研究のやりがいは?

A.検討したいと考えていることが,実は非常に新規性の高いもので,更に,日本から世界に向けて発信できる研究であること,そして社会に少しでも貢献できる研究であるとわかったときにやりがいを感じます.自分の研究が少しでも役に立ち,世の中を動かす可能性があるって,ワクワクするではないですか!

Q.産官学連携の実績は?

A.上述のように他大学との共同研究、自動車メーカ、自動車部品メーカや電子部品メーカとの共同研究、科研費、財団法人、企業からの研究助成の実績が多々あります。

Q.将来、社会でどう活かされますか?

A.愛知県ひいては日本全国の交通事故を減らすこと、また、今後の自動運転に対する啓蒙や、さらには、南海トラフなど大地震が起きたときの津波避難方法にも貢献できると考えています。

Q.どんなことが身につきますか(できますか)?

A.まず,システムの設計力が身につくと思われます.また,ドライビングシミュレータやヘッドマウントディスプレイなどを活用した実験によって得られたデータを解析する,データ解析の能力も身につきます.加えて,ハードウェアやソフトウェアの開発も必要になりますので,それらの知識や,プログラミング能力も身につきます.

Q.今後の夢は?

A.これまで我々が培ってきた研究を発展させ,その成果を日本からどんどん発信していくことで,世界中の研究者と連携できる体制を作り,グローバルな視点で,道路交通が抱える様々な課題に立ち向かいたいですね.

Q.高校生へメッセージを

A.ITS研究所のメンバは企業出身者,大学経験者など様々なバックグラウンドから構成されています.この多様性がITS研究所の特徴です.ですので,本学で自動車工学の研究を志す学生は,学術的な観点,実践的な観点の両方に即して,メンバからの指導を受けることができます.
さて,これからの自動車に関する研究は,様々な知見を,学際的に融合しなければ進められません.また,これまでにない柔軟な発想も求められます.高校生の皆さんの柔軟な発想力を活かして,世の中を変えていく研究に,我々と一緒に取り組みませんか?

高度交通システム(ITS)研究所 メンバー

情報メディア学科 教授 宇野 新太郎


情報メディア学科	教授 宇野 新太郎

専門

情報通信ネットワーク、ITS、センサネットワーク、モバイルネットワーク、通信プロトコル




職歴、経歴

2018年 同大学 工学部情報メディア学科 情報メディア学科長
2017年 同大学 高度交通システム(ITS)研究所長
2011年 愛知工科大学 工学部情報メディア学科 教授として着任
金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻 客員教授
Huawei Japanワイヤレス・マーケティング部 エグゼクティブ・スペシャリスト
モトローラ(株)日本研究所 所長
ノキア・ジャパン(株)リサーチセンタ シニアリサーチエンジニア
東芝総合研究所
慶應義塾大学大学院 理工学研究科電気工学専攻博士後期課程修了 博士(工学)

研究内容

近距離無線やセンサーを用いた交差点安全支援の研究を行っています。交通事故で2番目に多いのが出会い頭事故であり、また、交通事故の約4割が中小規模の交差点で起きています。本研究では、近距離無線やセンサーを用い、特に中小規模交差点での出会い頭事故防止のため、路車間通信システムの研究を行っています。実証実験も愛知県、静岡県の自治体で実施しています。蒲郡市での実証実験は2016年2月にNHK名古屋、CBC放送、朝日新聞、中日新聞、東愛知新聞、東日新聞で紹介され、磐田市での実証実験については、2017年11月に静岡新聞、同年12月にテレビ愛知にて紹介されました。また、「車対車」だけでなく、「車対自転車」、「車対歩行者」にも適用したいと考えています。研究開発は、4~5年後の実用化を目指し、愛知県や静岡県の企業様と一緒に進め、将来的には自動運転への適用やスマートフォン、IoT機能などの拡充も考えています。研究成果は、国内はもとより、国際会議でも発表しています。

好きなこと

ジョギング、ウォーキングやゴルフ、テニス、野球など体を動かすことが好きです。また、読書や映画鑑賞なども好きです。


情報メディア学科 教授 板宮 朋基


情報メディア学科 准教授 板宮 朋基

専門

画像処理、バーチャルリアリティ、空間情報処理、3D-CAD、3DCG、eラーニング




職歴、経歴

2018年 同大学 工学部情報メディア学科 教授
2014年 愛知工科大学 工学部情報メディア学科 准教授として着任
東京工科大学 デザイン学部デザイン学科 助教
慶應義塾大学 デジタルメディア・コンテンツ総合研究機構 研究員
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科博士後期課程修了 博士(政策・メディア)取得

研究内容

バーチャルリアリティ(Virtual Reality:人工現実感)や拡張現実(Augmented Reality)、複合現実(Mixed Reality)の技術を用いたシステム・コンテンツ開発と社会実装を行っています。ヘッドマウントディスプレイを用いた「VR津波体験ドライビングシミュレータ」や、スマートフォンと紙製ゴーグルを用いた「AR災害疑似体験アプリ」の開発と運用を行っています。東日本大震災の尊い教訓から、大規模災害発生時に迅速に避難するための方策が議論されています。これらのシステムは市民ひとりひとりが日頃から災害発生を「わがこと」として実感し危機意識を高める効果があると評価されています。全国の自治体や消防本部、小中高校から運用依頼が来ており、年間30回~50回のペースで体験講座を実施しています。東北大学、岩手大学、防災科学技術研究所等の防災の専門家とも共同研究を行っております。

好きなこと

VR/ARの最新の機器や進化著しいスマートフォンの最新版をいち早く入手し、まだ誰も見たことのない世界を体感できるアプリの開発を行うことです。また、飛行機が好きで、20代の頃にアメリカで自家用操縦士(多発)の免許を取得しました。渡米の際は現地で小型機をレンタルしてフライトを楽しむこともあります。


電子制御・ロボット工学科 助教 山本 雅也


電子制御・ロボット工学科 助教 山本 雅也
電子制御・ロボット工学科 助教 山本 雅也

専門


生体情報工学、制御工学、人間工学


職歴、経歴

2018年4月 - 現在 愛知工科大学 工学部 電子制御・ロボット工学科 助教
2016年7月 - 現在 中部大学 工学部ロボット理工学科 客員研究員
2008年4月 - 2018年3月 株式会社東海理化電機製作所
2006年8月 - 2008年3月 資格の専門学校TAC株式会社 非常勤講師
2005年4月 - 2008年3月 中部大学技術医療専門学校 理学療法科 非常勤講師

研究内容

眼球運動を指標としたドライバ状態検知に関する研究を行なっています。神経の束で脳と直結している眼は,例えば眠気や病気といったヒトの身体や精神に関する様々な情報が現れると言われています。そこで当研究室では眼球運動を指標として得たヒトの情報を交通安全に応用することを目的としています。また愛知県による知の拠点あいち重点研究プロジェクトII期(2017年〜2019年) においては「眼球運動を指標としたドライバ状態検知技能の実用化」をテーマとし、ドライバの眠気を予兆する装置の開発に企業と大学それぞれの立場で参画しました。現在では開発品の精度向上を目的としDeep Learningを用いた眼球画像検出に関する研究を進めています。

好きなこと

自然の中で陽の光、風、音を感じることが好きです。また、居酒屋やバーに行って普段得られないような出逢いやお話をすることが好きです。


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